ローリングシャッター現象(ローリング歪み)

冬季オリンピックで日本は過去最多のメダルを獲得し、盛り上がっています。そんな中、素晴らしい映像を撮影しているドローンの「音」が気になっている人も多いのではないでしょうか? 競技撮影のドローンは、時速100kmを超えるスピードを出さなくてはならないため、その羽音(?)も大きくなってしまうようです。

静止画カメラのシャッター音も、写真を撮らない人にとっては耳障りなものです。

以前、イベント会場で撮影をしていた時、たまたま横にいた子供から「カメラ、うるさい!」と言われてしまいました。その子のお母さんが「かっこいいじゃないの。」とフォローしてくれましたが、その後ニコンからミラーレス一眼カメラが発売された時、すぐに予約を入れて購入しました。今も愛用している「Nikon Z7」です。

ミラーレスカメラのローリングシャッター方式電子シャッターは、シャッター自体は音を出さないのでサイレントシャッターが切れます。その上メカニカルシャッターが作動する時の振動が無いので、シャッターによるブレが少なくなるという利点もあります。

いつも電子シャッターを使って無音撮影をしているのですが、デメリットもあります。その一番大きなものが「ローリングシャッター現象」で、「ローリング歪み」と言われているものです。動きのあるものを撮影したり、カメラが動きながら撮影した時に、像が歪んでしまう現象が起きます。これは、イメージセンサーの各素子が一斉に露光するのではなく、片側から順番に読み込んでいくことにより起こります。シャッター幕の速度やセンサーの読み出し速度がシャッター速度に間に合わないために起こる現象で、シャッター速度が速くなると起こりやすくなります。

いくつか例を示してみます。

下はメジロを撮影した写真です。1/1600秒で撮影しているのに、羽が歪んでしまいました。羽をぶんぶんしています。これはこれで面白い写真ではありますが。Nikon Z7 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S 400ミリ f:5.6 1/1600秒 ISO320

 

ミツバチです。高速で動かす翅が「>」のように歪んでしまいました。Nikon Z7 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S 400ミリ f:5.6 1/2000秒 ISO100

 

ヘリコプターのローターブレードがグニャッと曲がっています。Nikon Z7 NIKKOR Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S 400ミリ f:6.3 1/2500秒 ISO200

 

これらの現象はメカニカルシャッターを使うことで回避できますが、カシャッというシャッター音を消すことは出来ません。電子先幕シャッターを使うという回避方法もありますが、超高速シャッターの場合に露出ムラや玉ボケ欠けが起こることがあります。

ニコンの「Z9」や「Z8」では、ニコン独自の積層型CMOSセンサーを搭載して従来比12倍の高速読み出しを実現することにより、ローリングシャッターによる歪みを極限まで抑制しています。その技術の確立により、これらの機種はメカニカルシャッターを搭載していません。

グローバルシャッターという機構を使えば画像全体を一斉に露光するため、歪みは起きません。ただ、今の技術では非常に高価なものになる為、現在民生用静止画カメラでグローバルシャッターを採用した機種は、SONY α9Ⅲしか私は知りません。

グローバルシャッターの技術が進んで、廉価なカメラにも搭載できるようになってくれれば、と思います。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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