草間彌生美術館で開催されている「クサマズ・ポップ」を観てきました。

草間彌生の作品は、絵画、造形、インスタレーションに共通して、鮮明で色彩豊かな表現から、しばしば「ポップ」と表現されます。
本展では、草間が拠点としていた1960年代のニューヨークで花開いたポップ・アートとの接点を解明にするとともに、幻覚や強迫観念といった特有の個人的な動機に根ざしている作品など、多彩な創作活動の広がりを紹介しています。

エントランスを入ると、大きな水玉模様の塊が行く手を遮るように浮かんでいます。草間彌生の感じる強迫観念は、こんなものじゃないんだろうなと思わせます。
奥にあるのはコカ・コーラとコラボした広告プロジェクトで作られた自動雨販売機のプロトタイプです。食品をはじめとする身近かな商品を題材にした表現は、1960年代のポップアートにおいても重要な関心の一つでした。
《水玉強迫》 1996/2026年 ミクストメディア サイズ可変 ※館内の複数箇所にわたり展示
《Dots on Vending Machines[自動販売機を覆う水玉]のための プロトタイプ》 2001年 アクリル塗料、自動販売機 181.4 × 116.1 × 59.5 cm ※本展に際し、缶は新たに制作
展示風景
上の写真右下にあるBOXに開いた穴から中をのぞくと、あら不思議・・・目の前に草間彌生の宇宙が広がります。
《天国へのぼった階段で見た宇宙の姿》 2021年 鏡、ガラス、アクリル板 180 × 80 × 80 cm
《宇宙に行きたい》 2013年 アクリル・キャンバス 194 × 194 cm
下は、草間彌生の作品世界を体現する室内空間です。布地には1990年代以降の草間作品に登場する「黄樹」と呼ばれるモチーフがあしらわれています。同一イメージの繰り返しにより空間全体をひとつのパターンで包み込み、やがて自他の境界が揺らぐような錯覚をもたらします。草間が「自己消滅」と呼ぶその感覚は、こうしてリビングルームという日常の生活空間の中で共有されていきます。
《黄樹リビングルーム》 2002年 家具、布地、日用品 サイズ可変 家具・布地:YAYOI KUSAMA Furniture by graf
早くは1960年代より、草間は芸術を大量生産可能で人々の日常に開かれたものとして捉え直す実践を重ねてきました。下は、2009年にKDDIとのコラボで、多くの人が持ち歩く大衆的なメディア(携帯電話)に作品のモチーフを組み込み、表現の場を日常の空間へと広げました。岡本太郎の考え方に似ていますね。
左:《ドッツ・オブセッション、 水玉で幸福いっぱい》 2009年 携帯電話、ストラップ、ケース 14 × 15 × 17.6 cm
中:《宇宙へ行くときのハンドバッグ》 2009年 携帯電話、ストラップ 11.1 × 13.5 × 2.2 cm
右:《私の犬のリンリン》 2009年 携帯電話、ケース 27 × 20 × 11 cm
種苗業を営む家庭に育った草間は、活動初期より花や植物を主題とした制作を続けてきました。黄色地に黒の水玉の配色は、作家自身も「一番強い組み合わせ」と語り、「かぼちゃ」や「黄樹」といった代表的モチーフにも繰り返し用いられています。
《明日咲く花》 2016年 F.R.P.、ウレタン塗料、鉄 290 × 205 × 185 cm
雨上がりなので、花びらの下に多くの水滴が、草間作品のように繰り返し垂れ下がっていました。
図録は H231 W208 D8mm というほぼ正方形で、48ページです。草間彌生の絵画は正方形のものが多いので、紙に無駄が出ないサイズです。2800円(税込)

キャンディです。裁断した断面から、金太郎飴のように草間のモチーフが顔を出します。カラフルで気分があがります。
「クサマズ・ポップ」開催概要
開催会場:草間彌生美術館
開催期間:2026年4月16日(木)~ 8月30日(日)
休館日:月・火・水曜日(祝日を除く)
開館時間:11:00〜17:30
観覧料金:一般1,100円 小中高生600円 ※未就学児は無料。
入場は日時指定の完全予約・定員制(各回90分)です。毎月1日10:00(日本時間)に翌々月分のチケット販売を開始します。チケット購入はこちら
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